「超伝導量子渦にかかる力」
加藤 雄介 氏

Jul 03, 2015


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 超伝導量子渦にかかる力
講 師 : 加藤 雄介 博士
     東京大学大学院総合文化研究科
日 時 : 平成27年7月3日 (金) 15:00-16:00
場 所 : 北海道大学理学部2号館211室(2-2-11)

要 旨 :
渦のダイナミクスはさまざまな場面で特徴的な自然現象を引き起こす。春に日本に到来する爆弾低気圧、夏から秋にかけて襲来する台風や近年関東地方で多く出現するようになった竜巻など、気象学レベルの渦は地域に甚大な被害をもたらす。より小さなスケールでも、飛行物体の抗力、野球の投手が投げるカーブが曲がる理由、昆虫が羽ばたく際の揚力の獲得機構においても渦の生成が鍵となる。古典流体における難問として長年研究されている乱流の生成・発達にも渦の生成が関わっている。渦がどんな動きをするのかは、気象予報士やバッターだけでなく、超伝導の研究者や技術者にとっても重要な情報である。たとえば、超伝導にどれだけ大量の電流を流すことができるか、どれだけ強力な磁石となるか、量子計算機としてどれだけの性能が出るかは、すべて超伝導の量子渦の運動の様子によって決まっている。一方で超伝導の量子渦に働く力は未解決の問題が多い。その一つが「渦を駆動する力はローレンツ力かマグナス力か」という問題である。本コロキウムでは、時間に依存するギンツブルグランダウ理論に基づく、超伝導単一量子渦のフロー理論(Gor'krov-Kopnin 1973, Dorsey 1992)の計算を再検討し、ローレンツ力の寄与は無視できるほど小さく、駆動力は物質場の運動量テンソルに由来することを示す。マグナス力との関係や、渦糸格子状態にかかる力についても議論したい。本講演の内容はChung Chun-kit(東大理)との共同研究に基づくものである。

世話人  北 孝文
(kita@phys.sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学理学部物理学科 (電話011-706-3484)


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